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技術紹介

ネコヤナギ・エコ工法のご紹介(特許第4313837号)NETIS登録工法:登録番号QS-080012-A

ネコヤナギ・エコ工法による施行事例

「ネコヤナギ・エコエ法」とは、何をする技術なのか?
  • ① 本工法は、既設または新設コンクリート護岸面に対してネコヤナギを植栽して、水辺環境を陸上部と水中部の両面から改善する技術である。
  • ② コンクリート護岸に植栽孔を設け、その孔を利用して竹ポット(挿木又は苗木をセットしたもの)を挿入・固定して緑化する技術であり、コンクリート護岸による安全性の確保と景観及び生態系の改善が可能である。
  • ③ 適用場所は人々が集う水辺で修景や安全対策の必要となる場所で、魚類・水生生物等の環境回復と保全を必要とする水辺に位置する護岸(既設又は新設)である。
「ネコヤナギ・エコエ法」の期待される効果
  • ① 護岸面へのグリーンベルトを創出することによって水辺の景観を改善出来る。
  • ② 緑陰の創出やネコヤナギ特有の水中根の発生(水中に没した枝から発生)によって、昆虫や水生生物の生息環境や淡水魚の住処・餌場・避難場所が回復し保全が行われる。
  • ③ 水辺に集う人々へ安らぎと潤いを付与すると共に周辺住民に昔の風情を提供する。
  • ④ 河川への転落防止や、万―に転落した際のつかまり物・ロープ代わり等安全対策に役立つ。
「ネコヤナギ・エコエ法」の施工事例
「ネコヤナギ・エコエ法」の施工事例

ネコヤナギ水中根に群がる魚

適用条件

①自然条件

  • 1)ネコヤナギが自生している河川が原則である(同一水系が基本)。
  • 2)気象条件については、特に制限は無い。
  • 3)感潮区域でないこと。

②現場条件

  • 1)護岸勾配は、穿孔作業が可能である範囲とする。
  • 2)穿孔深さは、50cm以下であること。
  • 3)護岸背面は、岩盤で無いこと(ネコヤナギが根張り出来ない)。
ネコヤナギ自生地の様子
ネコヤナギ自生地の様子
適用範囲

①適用可能な範囲

  • 1)控え長35cmを標準としたプロック積護岸又はこれに類するコンクリート護岸で、河川環境の改善が必要な場所であること。
  • 2)既設置護岸の勾配は、穿孔作業の足場構築や作業性から1:0.5より緩やかな護岸とする。

②特に効果の高い適用範囲

  • 1)淡水魚の生息数が減少したと思われる地域、又は、貴重な生物の生息地域で、生態系の保全が必要な地域。
  • 2)自生のネコヤナギが減少又は見当たらず、その回復を図る地域。
  • 3)周辺住民が多く居住する地域、観光施設に接する地域やホタル観賞地域で景観の修復が必要な場所。

③適用できない範囲

  • 1)感潮河川区域の護岸(ネコヤナギが自生していない)。
  • 2)水辺の水深が1mを超え、かつ護岸勾配が急で施工が難しい場所。
留意事項

①設計時

  • 1)植栽する区間の現地調査を十分に行い、地域特性、本工法の材料素材に対する取得場所・状況等を把握し、設計条件を設定する。
  • 2)新しい工法であり、周辺住民、関係機関への十分な説明と理解を得る。
  • 3)現地条件に対する植栽効果の最適な場所(萌芽と根張りを含めた)とその区間長を設定する。
  • 4)水辺利用に集う人々の意識を反映した計画とする。

②施工時

  • 1)作業場所が傾斜地であり、滑落し易いので安全対策に十分な配慮が必要である。
  • 2)水辺の水深が0.5m以上の場合は、作業足場を設け安全性を確保する。
  • 3)穿孔深さとその貫通部分を確認する。
  • 4)挿木は、2~3年の成長枝を使用し、損傷しないように丁寧に取り扱う。
  • 5)竹ポットを護岸へ確実に固定する。

③維持管理等

  • 1)植栽後の萌芽及び生育状況の観測とデータ整理。
  • 2)挿木枯死箇所または損傷箇所等への早期再移植(植栽適期に行なう)。
  • 3)萌芽後の害虫対策。